俺もそろそろ

夏休みの一日は大方の流れが決まっていて、大抵が午前中は炎天下の中直径22cmの球体を追いかけ、午後は国家試験の勉強に励むという変哲のない日々を送り、その中に時たまバイトに入ってはイライラし入ってはイライラしという毎日を過ごしていた。人生の夏休みとも言うべき大学4年間で、来年から就活の時期がずれることを考慮すると今年が最後の夏休みなのではないかと考えながらも、何一つ夏らしいことをしていない自分に嫌悪感を抱いてはいるが、何の行動を起こせぬ自分の行動力のなさにあきれていた。

最近俺が部活をする理由というのも他の大学生との差別化を図り、「今日、飲み会うぇーい!」とかほざいてる大学生とは違うぜっていうアイデンティティを保ちたかっただけではないかと悩まされている。サッカーへのモチベーションというものも見事に消え去り、ただなんとなく部活に通うという一種のルーティーンへと化した。しかしルーティーンとしては時間の拘束力という意味においては他のそれからは群を抜いており、非常に足かせとなっているのは間違いないが、かといってそれを辞し新しく何かを始める行動力もないので現状に甘んじているのである。

飲み会うぇい学生がそろそろ就活を意識しだして、やれインターンだ、やれ就活セミナーだと騒ぎ始めているが、そんなことは意識しだいでアルバイトだって職業体験だろう、セミナーなんか行かなくていいから本を読めと自分に言い聞かせることで焦りを周りに悟られないようにする自分をとても惨めに感じる20の夏の昼下がり