本を読むということ

一日の読書時間がゼロの大学生が増えているという情報を最近よく目にする。情報社会の弊害で、本を読まなくても知りたい情報はインターネットにでていて、簡単に手にすることができるからである。

本を読む人と読まない人の差は簡単には埋まらないと伊藤忠の丹羽社長が言っていたのを「人は仕事で磨かれる」で読んでから、週一を目標にしてもしくはそれ以上のペースで読んできた。語彙力が増えたとか、自分の考えを文章にして伝える力が少しついてきたとは思うが、読まない人との決定的な差を感じることはまだない。

一般に読書をすることで身に付く力は知識・教養や主人公の気持ちを考えることからくる想像力などと言われることが多いが、そもそも本を読むことのメリットはそんな簡単に目に見える結果に出るものではなく、気づいたときには追いつきようのない差が生まれているというのが持論で、今はそのインプットの我慢の期間。成長角度という言葉を用いている本に出会ったことがあったが今はその角度を最大化することに専念する。今は小さな差でも角度によって年月を重ねるごとに大きな差になってくる。自分の自由に使える時間の多くとれる学生のうちはその時間の使い方次第で10年後、20年後の未来は大きく変わってくる。

本と言うのは読んだ直後には感動や余韻から為になったなと感じることがあっても、1週間後に内容を問われれば思い出せないなんてのはざらにあることで、それはものすごくもったいないことに感じていた。だからこそ感想文等アウトプットする場が大事であり、そこで感じたことを自分の言葉にして表現することで、本当の意味でその本を読んだことになると思う。

普段本を読む習慣のない人はその力が劣っており、論文を書かせても自分の考えをまとめるのが苦手で、先行研究を羅列しオリジナルの文章のように書き綴ったり、考察も浅いものになる傾向があるという。同じ資料を読んでも読み取れる情報量に差があり、完全に自分のものにすることができない。社会に出てからその必要性を感じ読書を始めたとしても、限られた時間の中ですぐにその成果を出すことは難しいだろう。

今のうちから本を読むことを習慣付け、本の虫となってみよう